設計士のポートフォリオの作り方
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設計士の転職や就活では、ポートフォリオ(作品集)の提出を求められることがあります。図面や写真、パースなどをまとめて、これまでの経験や設計スキルを伝える資料です。
ただ、いざ作ろうとすると「何を載せればいいのか」「どの作品を選べばいいのか」と迷う方も多いでしょう。この記事では、設計士のポートフォリオの基本構成や作品の選び方、1作品ごとの見せ方、実務案件を掲載するときの注意点を紹介します。
採用側がポートフォリオで見ているポイント
採用側がポートフォリオを見るときは、作品そのものだけでなく、これまでの経験や設計への考え方も確認しています。特に意識したいのが、次の3点です。
- どのようなプロジェクトに、どこまで関わってきたか
- 経験や作品を整理して伝える構成になっているか
- 図面や写真などを分かりやすく見せられているか
作品数が多ければよいわけではありません。応募先で活かせる経験が伝わる作品を選び、それぞれの担当範囲や設計上の工夫を分かりやすく示すことがポイントです。
設計士のポートフォリオの基本構成
ポートフォリオに決まった構成はありませんが、次のような流れにすると、経歴から作品までをスムーズに確認してもらえます。
- 表紙・目次
- 自己紹介(プロフィール・経歴・スキル)
- 作品紹介
- その他の実績・資格
- 連絡先
自己紹介では、氏名や経歴に加えて、使用できる設計ソフトも記載しておきましょう。AutoCAD、Vectorworks、Revit、Photoshopなど、実務で使用したソフトと経験年数や使用範囲を記載すると、スキルを具体的に伝えやすくなります。
作品紹介では、1作品ごとに概要や担当範囲、設計意図などをまとめます。すべてを細かく説明するのではなく、作品を見れば分かる部分は図面や写真に任せ、文章は補足に使うとすっきり仕上がります。
ポートフォリオに載せる作品の選び方
作品を選ぶときは、応募先の仕事内容と自分の経験とのつながりを意識しましょう。実務経験がある場合と、新卒・第二新卒の場合では、見せ方も変わります。
在職中の設計士が実務案件を扱う場合
実務経験がある場合は、代表的な作品を3〜5件程度選び、それぞれで自分が担当した範囲を明確にします。
たとえば、意匠設計の一部を担当した物件と、施主との打ち合わせから設計、現場対応まで幅広く関わった物件では、伝えられる経験が異なります。プロジェクトの概要だけでなく、「自分が何を担当したのか」「どのような判断や工夫をしたのか」まで記載すると、自分の経験を伝えやすくなります。
ただし、実務案件を掲載するときは、守秘義務や掲載許可に注意が必要です。勤務先によっては、図面や写真、プロジェクト名などを外部に公開できない場合があります。掲載前に、会社のルールを確認しておきましょう。
また、お客様の氏名や住所などの個人情報、社外秘の情報は掲載しないようにしてください。必要に応じて、プロジェクト名や図面の一部を伏せるなどの対応も検討しましょう。
新卒・第二新卒が学生課題を扱う場合
実務経験が少ない場合は、学生時代の設計課題を中心に構成して問題ありません。代表作を2〜3作品程度に絞り、1作品ごとに設計のプロセスを詳しく見せる方法がおすすめです。
作品紹介では、コンセプトだけでなく、敷地条件や課題に対してどのように考え、設計へ落とし込んだのかを示しましょう。模型やスケッチ、検討図なども掲載すると、最終案だけでは分からない設計プロセスを伝えられます。
コンペや卒業設計、インターン先で制作した成果物なども、応募先との関連性があれば掲載候補になります。すべての課題を並べるのではなく、「この作品で何を考え、どのように設計したのか」が伝わる作品を選ぶことが大切です。
1作品あたりのページの作り方
1作品の紹介では、次のような情報を組み合わせると、プロジェクトの内容と自分の役割を把握してもらいやすくなります。
- プロジェクトの概要(用途・規模・敷地条件など)
- 自分の担当範囲
- コンセプト・設計意図
- 主要な図面(配置図・平面図・断面図など)
- パース・模型写真・完成写真
- 設計上の工夫や担当したポイント
レイアウトでは、図面や写真を詰め込みすぎないこともポイントです。情報量が多すぎると、それぞれの作品が見づらくなります。
1ページの中で主役となる図面や写真を決め、周囲に補足情報を配置すると、メリハリのあるページに仕上げやすくなります。すべての図面を載せるのではなく、その作品の特徴や自分の担当範囲が伝わるものを選びましょう。
文章は必要な情報に絞り、図面や写真には簡潔なキャプションを添えます。長い文章で設計意図を説明するより、図面や写真と文章を組み合わせて、視覚的に内容を理解できる構成を目指しましょう。
ポートフォリオのデータ形式・サイズ・持ち込み時の注意点
ポートフォリオはPDFで提出するケースが多く、サイズや向きについて指定がなければ、A3またはA4の横型が使いやすいでしょう。ただし、応募先から指定がある場合は、必ず指定に合わせてください。
メールなどで送付する場合は、ファイル容量にも注意が必要です。容量が大きすぎると送受信や閲覧の負担になるため、画像を適切に圧縮するなどして、無理のないサイズに調整しましょう。容量の指定がある場合は、それに従います。
面接に持参する場合は、印刷版と電子版の両方を用意しておくと安心です。印刷版では図面や写真の細部を確認してもらいやすく、電子版なら必要に応じて拡大して見せられます。
また、タブレットやノートPCで見せる場合は、事前にPDFが正常に開くか、画像が崩れていないかを確認しておきましょう。面接当日にファイルが開けない、動作が重いといったトラブルが起きないよう、使用する端末で一度確認しておくと安心です。
ポートフォリオでよくあるNGと対処法
せっかく作ったポートフォリオも、作品の選び方や見せ方によっては、経験やスキルが伝わりにくくなります。よくあるNG例と対処法を確認しておきましょう。
作品数が多すぎて印象がぼやける
作品を詰め込みすぎると、それぞれの作品について確認してほしいポイントが分かりにくくなります。応募先と関連性の高い作品や、自分の強みが伝わる作品を中心に選びましょう。
掲載しきれない実績がある場合は、作品として詳しく紹介するのではなく、「その他の実績」として一覧にまとめる方法もあります。
担当範囲が書かれていない
複数人で設計したプロジェクトでは、自分がどこまで担当したのかを明記しましょう。担当範囲が分からないと、作品のどの部分が自分の経験なのか判断しにくくなります。
「5人のチームで、自分は意匠設計と実施設計を担当」のように、チームの規模や担当業務を具体的に書くと伝わりやすくなります。
写真・図面の解像度が低い
図面や写真が粗いと、細かな部分を確認しづらくなります。特に図面は、印刷したときに文字や寸法が読めるかを事前に確認しておきましょう。
ファイル容量が大きくなりすぎる場合は、画像を適切に圧縮したり、掲載する範囲を絞ったりして調整します。
コンセプトの説明が抽象的すぎる
「街とつながる家」「時を紡ぐ空間」といったコンセプトだけでは、具体的にどのような設計をしたのか伝わりにくくなります。
敷地条件や施主の要望、それに対して自分がどのような設計判断をしたのかまで説明すると、設計の考え方を具体的に伝えられます。
まとめ
設計士のポートフォリオは、作品を並べるだけでなく、これまでの経験や設計に対する考え方を伝えるための資料です。
応募先との関連性を意識して作品を選び、1作品ごとに担当範囲や設計上の工夫を分かりやすくまとめましょう。実務案件を掲載する場合は、守秘義務や掲載許可についても事前に確認が必要です。
ポートフォリオが完成したら、面接で作品について説明する順番も確認しておくと安心です。どの作品を見せながら、どの経験やスキルを伝えるのかまで整理しておきましょう。

グランハウス一級建築士事務所
岐阜県内での施工実績を豊富に持つ一級建築事務所「グランハウス」。設計士と直接話す家づくりを掲げ、手の届きやすい価格帯にて、オーダーメイドの注文住宅を手掛けています。30代の創業者を中心に、若手の設計士・現場監督たちが第一線で活躍している建築事務所としても注目されている会社です。
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