岐阜の建築業界における問題点

楽市イメージ

岐阜県の将来構想研究会の資料(平成20年)によれば、岐阜県で建設業を営んでいる事業所数の割合は約1割を占めているとされます。就業者数の産業別構成比も9.4%で全国平均の8.8%と比較して考えても建設業の比重が高いエリアと言えます。

近年は建築業界全体としては東京オリンピックの影響で上昇の気運は高まりつつあるものの、岐阜県は直接関係がなく、建設業の生産額は1996年から減少傾向が続き、関連企業は厳しい経営環境にあります。

今後は景気回復とともに売上・利益も上がることが期待されていますが、建築業界全体の問題として就業者が50歳代後半が多く、20代の就業率が低下しており、このままでは技術の伝承が困難になると言われています。

岐阜では多階層構造でトップダウン型の企業が多い

建設業界では大規模な元受け業者が何層にも重なる下請け業者に発注していく請負構造が問題となることがあります。時には10層にもなることもあり、多くの企業が間に入ることで利幅が減っていき経営を圧迫します。

こうした多階層のピラミッド構造は国土交通省が発注単価を上げたとしても、階層の中に吸収され、末端の職人の賃金上昇にはつながりません。トップダウンで上から下りてくる指示に従うのが精一杯で改善の方向に行くことがありません。

これは大手ゼネコンなど大規模建設業だけでなく、個人のマイホームを造る建築業界にも影響を与えています。マイホームの発注者は国土交通省ではなく個人ですが、こうした多階層請負構造により発注者の想いが現場に伝わりにくくなっているのです。

本来なら上からの指示に従うだけでなく、ボトムアップ型で現場からの声が上がることでサービス向につながることがベストなのですが、なかなか進まないことにもどかしく感じている人は多いはずです。

閉鎖的な業界体質により情報不足に

建築業界のもう一つの問題として閉鎖的な環境というものがあります。トップダウン型の多階層構造とも関係していますが、業界内でのルールというものがあり、それに逆らうと次の仕事が来なくなるのでできないのです。

また建設・建築会社は地元の情報には精通していても、他の地域の情報を得る手段を知らないところも多いですし、下請けに入ることで自社情報を積極的に外に向けて発信することも行ってきませんでした。

そうなると業界全体が世の中の変化に追いつかなくなってしまい、現場から声が上がってきて対応することができません。昨今では災害に強い建物の建築や、デザイン性に優れた建築物の要求も増えてきていますが情報が不足していると技術も追いつかなくなります。

RAKUZA編集部より

業界によっては同じような状況でも、新たな時代に柔軟に対応して変革が起きているところもあるのですが、建築業界においては変わらなければいけないとわかっていても古くからある慣習や業界ルールに縛られ前に進めない状況があります。多階層構造や閉鎖的な環境は岐阜だけの問題ではないですが、業界の就業人口が多いエリアだからこそ率先して問題解決に取り組む体制を整える必要があるのです。

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