設計士として取得したい資格

設計士に必要とされる資格

楽座イメージ

設計士とは建築業界で設計の仕事に携わる人のことを指す言葉で、設計士として働くための明確な定義や必須資格はありません。したがって資格を取得しなくても設計士として働くことは可能です。

建築士の主な仕事は、顧客の要望をヒアリングして建物を設計することです。工事がスタートすると現場に入って監督・管理することもありますが、仕事の範囲は建築士法で定められた範囲内になります。

ただし、資格を持つことで働ける範囲が変わってきます。仕事の範囲と自由度を広げたいなら、一級建築士や二級建築士を取得しておくのがベスト。

一級建築士や二級建築士は建築士として働くために必要な国家資格です。一級建築士と二級建築士では、資格取得後にできる仕事の範囲が異なるため、設計士としてどんな仕事をしたいか考えたうえで資格取得を目指しましょう。

一級建築士

一級建築士は国土交通省から認可を受けている国家資格です。設計する建築物に制限がないため、住宅はもちろん商業施設や高層ビルの設計・工事管理まで行うことができます。

二級建築士

二級建築士は国家資格ですが、免許を交付するのは各都道府県。一般的な戸建住宅の規模を設計・工事管理を行うことを前提とした資格で、設計できる建物の高さは13m、軒高が9m以内で、鉄骨造の場合は延べ面積が300m2までと決まっています。

一級建築士と二級建築士の難易度について

どちらの資格も難易度は高め。とくに難易度が高い一級建築士の合格率は10%程度です。

設計士の仕事内容について

混同されることが多い設計士と建築士ですが、両者には明らかな違いがあります。では設計士はどのような仕事をしているのでしょうか。設計士の仕事内容を詳しく解説します。

設計士は無資格でもなれる

設計士と建築士の大きな違いとして挙げられるのが、設計士は資格を取得していない人でも名乗れることです。設計事務所などに就職すれば、知識や経験などが不足していても設計士と名乗ることはできます。また、建物の設計を行なうことも可能です。延べ面積100m2以下で高さ13m以下・軒高9m以下の2階建て木造建築、延べ面積30m2以下で高さ13m以下、軒高9m以下の2階建て木造以外の建築であれば誰でもでも設計できます(実際には、専門的な知識・技術が必要です。)。多くの方が考えているよりも、できることは多いと言えるかもしれません。

設計事務所などへの就職も可能

無資格であっても設計事務所などへ就職することはできるのでしょうか。現在のところ、建築業界では建築士を取得していない設計士がたくさん活躍しています。つまり、無資格であっても設計士として建築業界へ就職することは可能です。とはいえ、全くの素人が就職・転職することは少し難しいかもしれません。即戦力として働ける能力を求められるケースが多いからです。この傾向は、規模が小さいアトリエ系設計事務所などで強くなります。少人数で働いているため、教育に時間と手間をかけている余裕がないからです。求められる知識・経験などは勤務先により異なりますが、説明があれば仕事をこなせる程度の能力は必要と考えるほうが良いでしょう。

設計士の仕事内容

設計士に明確な定義はないので、同じ設計士であっても仕事内容は大きく異なります。勤務先の方針や知識・経験などによって、さまざまな働き方があると考えられます。以上を前提として、基本的には建築士を助ける設計補助や間取りのプランニングなどを任されることが多いようです。ハウスメーカーなどでは、文系卒の営業マン兼設計士が間取りをプランニングしていることが少なくありません。建築士と同じように働くことはできませんが、無資格であっても設計に携わることは可能です。

事務所を開くには建築士の資格が必要

設計士として働けるのであれば、建築士の資格は必要ないと考えた方がいるかもしれませんね。確かに、設計士として活躍することは可能ですが、設計士と建築士ではできることに違いがあります。その例として挙げられるのが、一定の建築物の設計・工事管理です。設計士では、建築士の業務独占にかかる建築物の設計・工事管理は行なえません。また、確認申請に必要な書類は、建築士事務所登録がなされている設計事務所などでないとできません。この登録には、管理建築士が必要になります。よって、設計事務所などを開設する場合も建築士の資格が必要になります。

まずは、設計士として働いてみるでもOK

資格を持っていない方でも設計士として働くことは可能です。建築実務の経験を積むことで、建築に関する学歴や資格がない方であっても建築士の受験資格を取得することができます。設計や建築に興味がある方は、まずは設計事務所などで働いてみるとよいでしょう。

持っていたほうがいい資格の詳細

資格を持っていなくても設計士として働くことはできますが、資格を持っているほうができる仕事の幅は広くなります。設計士を目指す方が取得したい資格の詳細を紹介します。

一級建築士

一級建築士
資格の実施機関 建築技術教育普及センター
受験料 19,700円
試験科目 ●学科の試験
・学科1(計画):20問
・学科2(環境・設備):20問
・学科3(法規):30問
・学科4(構造):30問
・学科5(施工):25問
●製図製図の試験
・製図作成:1課題
合格率 ●平成28年
・学科:16.1%
・製図:37.7%
・総合合格率;12.0%
●平成29年
・学科:18.4%
・製図:37.7%
・総合合格率:10.8%
●平成30年
・学科:18.3%
・製図:41.4%
・総合合格率:12.5%

二級建築士

二級建築士
資格の実施機関 建築技術教育普及センター
受験料 ・17,700円
試験科目 ●学科の試験
・学科1(建築計画):25問
・学科2(建築法規):25問
・学科3(建築構造):25問
・学科4(建築施工):25問
●設計製図の試験
・設計製図:1課題
合格率 ●平成28年
・学科:42.3%
・製図:53.1%
・総合合格率:25.4%
●平成29年
・学科:36.6%
・製図:53.2%
・総合合格率:24.3%
●平成30年
・学科:37.7%
・製図:54.9%
・総合合格率:25.5%

木造建築士

木造建築士
資格の実施機関 建築技術教育普及センター
受験料 17,700円
試験科目 ●学科の試験
・学科1(建築計画):25問
・学科2(建築法規):25問
・学科3(建築構造):25問
・学科4(建築施工):25問
●設計製図の試験
・設計製図:1課題
合格率 ●平成28年
・学科:61.4%
・製図:56.4%
・総合合格率:35.5%
●平成29年
・学科:48.1%
・製図:76.0%
・総合合格率:40.1%
●平成30年
・学科:57.4%
・製図: 64.9%
・総合合格率:35.8 %

岐阜で建築士資格取得者が可能な働き方

一級建築士や二級建築士の資格を取得した場合に、どのような就職先や仕事が可能になるのかを紹介します。

設計事務所で働く

○○設計事務所と書かれた事業所はよく見かけると思いますが、個人事務所で地元の住宅を専門にしているところから全国に展開する規模で分野を問わずあらゆる建物の設計を行っているところまで様々あります。

大学新卒以外はほとんどの場合、建築士資格を取得していることが採用条件に入っているため、設計事務所で働きたいと考えている人にとって建築士資格は必須と考えてもよいでしょう。ただし、若者の活躍を推奨する企業など、入社後に設計士としてのスキルを学べる企業も一部ですがあります。

ハウスメーカーで働く

その名の通り住宅の建築を主体とする会社ですが、地域に根ざした建築に特化している小規模な会社から全国展開している大規模企業まで様々あります。

設計業務以外にも様々な仕事があるため、建築士の資格を取得していなくても就職することは可能。まずは建築業界のことを学びながら、建築士の資格所得を目指したいという場合に適しています。

工務店で働く

小規模で経営している事業所がほとんどです。地域密着型で依頼を受けてから設計・施工まで一連の流れをすべて経験できます。

職人気質の代表者が一人でがんばっている場合もありますし、ハウスメーカーやゼネコンの下請けとして受注しているだけの場合もありますので、資格や自分の良さが生かせる職場かどうか見極めることが重要です。

岐阜県の設計士の年収や仕事内容

厚生労働省の都道府県の平均給与比率から建築士の都道府県別平均年収を算出したデータによると、岐阜県の平均年収は522万円でした。数字だけを見ると高いと思うかもしれませんが、年収は会社の規模や年代によって変わります。

設計事務所に勤務する一級建築士でも20代では年収300~350万円程度、30代のハウスメーカー勤務で年収400~450万円程度。500万円を超えるのは40代以降であるのが現状です。

設計士の資格についてのまとめ

設計士は、建築関連の資格を取得していない方でもなれます。建築士と同じ仕事はできませんが、設計に携われるのでやりがいは感じられるはずです。また、建築の実務経験を積むことで、建築士の受験資格を得られます。設計や建築に興味を持っている方は、設計士から挑戦してみてはいかがでしょうか。

RAKUZA編集部より

自身のステップアップとして、豪邸建築や商業施設に携わってみたいと考えるのならば、一級建築士の資格は必要不可欠です。ですが一般家庭のための注文住宅の設計士を目指すのならば、資格としては二級建築士を所持していれば問題ありません。また、どんな企業で働くのかも、設計士としてのやりがいに関わってきます。どちらにせよ、自分自身が目指すカタチを、早い段階から固めておくことが重要です。そのうえで、必要とされるスキルを身に着けることが効率的だといえます。

インタビュー 公式HPイメージ
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インテリア家具の販売から住宅営業のサポート、設計、そして有名テーマパークのオープニングスタッフなど、様々な業務を経験してきた羽賀さん。「誰でもできる仕事」ではなく「私という個人を見てもらえる仕事」を実現するため、設計士として日々活躍を続けている。

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